ATPエネルギー生産の仕組み|元気になるための栄養と健康の基礎

エネルギー(ATP)生産アイキャッチ 不調回復ロードマップ

【はじめにお読みください】
本記事は、筆者がコロナ後遺症の療養中に学び、実践した個人的な体験記録です。
特定の療法や栄養素の効果を保証・推奨するものではなく、医療行為に代わるものでもありません。
体調に不安のある方は、必ず主治医や専門の医療機関にご相談ください。

自然は神様からの贈り物。
はじめまして、ナチュラルトレードライフです。

コロナ後遺症という治療法のない病を患ったことによって、健康を維持するには、体を根底から整え、元気をとり戻していくことが大切だと気づきました。

「体にとりいれるものの大切さ」
「とり巻く環境や心の在り方(考え方)」など

このブログでは、健康を維持しながら、自然に、自分らしく過ごすための心身に対するアプローチを、私なりの視点で発信していきます。

今回から数回に分けて、コロナ後遺症と向き合う中で、私が学び・実践してきたことをお話しします。
原因不明な体調不良に悩まされている方に参考にしていただきたい内容になっています。

私は自身の経験を通じて、今の症状を抑えること以上に大切なことに気づきました。
それは、自分の体の仕組みを知り、一生付き合っていくための自分に合った方法を見つけることです。
そこで、以下のステップで丁寧にお伝えしていきます。

本シリーズのロードマップ(クリックで折りたたみ)
  • 【知識編】各療法の仕組みを知る(全9回)
    • 第1回:体の仕組み(発電:ATP・クエン酸回路)✨【今回】
      (元気の正体「ATP(エネルギー)」と、細胞の発電所の動かし方)
    • 第2回:栄養療法(材料:藤川理論)
      (回路を動かす部品:タンパク質・鉄・ビタミンの重要性)
    • 第3回:代謝ブースト(点火:クエン酸健康法)
      (回路を直接まわし、溜まった乳酸を再利用する「着火剤」の話)
    • 第4回:体内環境の浄化(土台:ミネラル・カントン水)
      (海水の力を借りて、体液のミネラルバランスを整える「土壌」の話)
    • 第5回:免疫の仕組み(安保理論)
      (自律神経と白血球の法則:なぜ体本来の力が発揮しにくくなるのか)
    • 第6回:自然療法(東城流の実践)
      (自然の生命力を活かす:身近なものでできる手当てと食養)
    • 第7回:ケトン食(エネルギー源の切り替え)
    • 第8回:断食(細胞のお掃除)
    • 第9回:運動療法(循環:代謝の定着)
  • 【実践編】具体的なアプローチ方法(🔒有料コンテンツ)
    (学んだ知識から実際に試したアプローチ方法)
  • 【心の持ち方編】自分の体調との向き合い方
    (回復を支える心の在り方)

今回は、【知識編】の第1回です。
すべての活動の源である体の仕組みについて。
まずは「私たちの体の中で何が起きているのか」という全体像から見ていきましょう。

※ 本記事は、藤川徳美医師・古川健司医師・福田一典医師の著書を参考文献として作成しています。
内容の監修・推薦を受けたものではありません。

はじめに:薬物以外の治療法に至った経緯

コロナ後に体調が戻らず、だるさや頭痛、鼻血が毎日続きました。
更に化学物質過敏症、電磁波過敏症を発症し、普段の生活を送ることが出来ない状況にまで陥ってしまいました。

一時は、
「ご飯を食べるだけで全速力で走った時と同じくらいの疲れを感じる」
「心拍数が高く、一晩中一睡もできない」
など、とても調子が悪い状態が続いていました。

そんな辛い状況をどうにかしようと、大きな病院で診てもらいましたが、いくら検査しても、大きな異常はなかったため、辛い症状のみが続く、やりきれない日々。

化学物質過敏症を発症したことで、投薬も中止され、何もできないまま、「このまま一生治らないのではないか?」と絶望したのを今でも覚えています。
そんな中、藁をもつかむ思いで、薬に頼らないアプローチとして、自然療法や栄養に関する情報をがむしゃらに学び、自分なりに取り入れていきました。

そういった中で得られた「私が辿り着いた答え」「経験」を綴っています。
かつての私と同じように、検査で異常が出ない原因不明の体調不良に苦しんでいる方のお役に立てれば、なによりです。

元気の源「ATP」とは?エネルギーを作る3つのステップ

私たちが、体を元気に保つために必要なエネルギーを作るには、「炭水化物」「タンパク質」「脂質」の3大栄養素が欠かせません。
そして、これらを効率よくエネルギーに変えて、体の中のさまざまな化学反応をスムーズにおこなうために、「ビタミン」「ミネラル」なども重要な役割をになっています。

では、これらの栄養素は、体の中でどのように使われているのでしょうか?

「体の仕組み」は、とっつきにくいかもしれませんが、大まかなイメージを掴んでいただくだけで、今後ご紹介する療法の仕組みが、自然と腑に落ちるはずです。
それが、健康を維持し続けるための「確かなモチベーション」にもつながります。
ぜひ、最後までお読みいただけたら幸いです。

体を動かすための主なエネルギー(元気のもと)は、細胞の中で以下の3つの工程を経て作られます。

1.解糖系  ⇒  2. クエン酸回路   ⇒  3. 電子伝達系 ⇒  大量エネルギー(ATP)

これだけ聞くと難しく感じるかもしれませんが、「ドリアを完成させる料理工程」をイメージしてもらうと非常にシンプルです。

  1. 解糖系(下ごしらえ)
    大きな食材を切り分け、使いやすいサイズ(ピルビン酸)にする。
  2. クエン酸回路(煮込み)
    鍋でじっくり煮込み、エネルギーの素となる「旨味(水素や電子)」を引き出す。
  3. 電子伝達系(オーブンで仕上げ)
    一気にオーブンで焼き上げ、メインディッシュ(大量のATP)を完成させる。

この3つが揃って初めて、38ATPという大きな元気(エネルギー)が生まれます。
それでは、各工程を詳しく見ていきましょう。

解糖系

解糖系の仕組み

炭水化物は体の中に取り込まれると、まずグルコース(ブドウ糖)に分解されます。
その後、解糖系(下ごしらえ)でグルコース(ブドウ糖)がピルビン酸に分解されるのですが、分解をするためには、「ナイアシン(ビタミンB3)」「マグネシウム」が不可欠です。

解糖系は、酸素が不足する環境でも反応が進みますが、次の工程であるクエン酸回路(煮込み)は酸素がなければ、反応を進めることができません。
そのため、エネルギー生産を効率よくおこなうには、酸素が十分に供給されている環境でなければなりません。

逆に、酸素が不足する環境では、エネルギー産生の効率は、低下する傾向があります。
(解糖系でもエネルギーは得られますが、2ATPという小さなエネルギーのみです)

そして、酸素が不足する環境では、「乳酸」という溜まりすぎると体に悪い影響を与えかねない物質がつくられます。
乳酸は、適度な量であれば、肝臓へ運ばれて再びグルコース(ブドウ糖)に作り直され、エネルギー源として使われます(糖新生)。

猛ダッシュをして「酸欠状態」になったときを想像してみてください。
このとき、体内では乳酸が急激に作られています。
その後、呼吸が整って全身に酸素が届くようになると、溜まった乳酸は、再びエネルギーとして再利用されます。

つまり、酸素が不足した状態でのエネルギー産生(解糖系)は、緊急事態を乗り切るための「非常用ルート」なのです。

この乳酸のリサイクルは、あくまで「一時しのぎ」に過ぎません。
乳酸が過剰に作られすぎると、再利用を担う肝臓に大きな負担がかかり、結果として、不調を招く原因に繋がりかねません。

さらに、乳酸が過剰に溜まると、一般的に疲労感と関連があるとも言われており、

  • 体液を酸性に傾けやすくする
  • かつて疲労物質とも呼ばれており、血液の流れに影響を与えると言われている

といった側面があるため、注意が必要です。

本来、健康な状態であれば、血液などの体液は、弱アルカリ性に保たれています。
しかし、疲れや不調を感じているとき、体液が酸性に傾きやすい状態になることがあると言われています。
体液の酸性化は、体本来のバランスに影響を与える可能性があると考えられています。

乳酸の量を溜めすぎないように、十分な酸素やビタミン、ミネラルを補って、スムーズにクエン酸回路へと「橋渡し」をしていくことが大切だと感じています。

🍚 解糖系の特徴
  • ピルビン酸と2ATPのエネルギーを生産
  • 必要なビタミン
    • ナイアシン(ビタミンB3)
  • 必要なミネラル
    • マグネシウム
  • 酸素がなくても反応が進む
    • 酸素なし ⇒ ピルビン酸が、乳酸に変わり、少量のATP(2ATP)に留まる
    • 酸素あり ⇒ ピルビン酸が、クエン酸回路へ進み、大量のATPを生成するサイクルへ

異常細胞の「エネルギー代謝」の仕組み

※ 以降、ガン細胞は「異常細胞」と表記します。

正常な細胞は、「解糖系⇒クエン酸回路⇒電子伝達系の流れ」で大きなエネルギーを生産します。
そのため、解糖系を回しすぎて乳酸がたまることはほとんどありません。

しかし、異常細胞の代謝には大きな特徴があります。
異常細胞は、酸素がある状況でも、クエン酸回路を使って、大量エネルギーを作るルートを使わず、解糖系(2ATP)をひたすら回し続けて、エネルギーを生産するという効率の悪いルートを使うとされています。

このルートは、効率が悪いだけでなく、「乳酸の蓄積 ⇒ 体液の酸性化 ⇒ 体本来のバランスへの影響」という悪循環になる可能性があるといわれています。
乳酸が作られることを防いで、次の工程であるクエン酸回路をまわしていくには、何が必要だったか、覚えていますか?

そう、「酸素」です。

正常な細胞に十分な酸素を送り込むことで、乳酸を溜め込まないクエン酸回路をスムーズに回していく
この流れをつくることが大切です。
日頃から細胞へ酸素を届ける「深い呼吸」を心掛ける習慣が、私たちが本来持っている健やかさを保つための大切な基礎となります。

さらに、もう一つ覚えておきたいことは、「糖質」との付き合い方です。

先ほどご紹介した「ワールブルグ効果(異常細胞が通常の何十倍ものグルコースを取り込んでしまう現象)」の本質は、ここにあります。
過剰な糖質摂取は、異常細胞にエネルギー源を供給する原因になり得ると考えられており、現在も研究が続いている分野です。
この考え方では、いくら酸素を届けてクエン酸回路を回しても、過剰な糖質があると、処理が追いつかないため、乳酸が溜まりやすい状況は変わりません。

「深い呼吸」で酸素を届けて、「糖質の摂りすぎ」にも注意する
この2つのアプローチが、免疫とエネルギー代謝はつながっているため、原因不明の体調不良を抱える方にとっても、この仕組みを知っておくことは無駄にならないと私は感じています。

【コラム:呼吸と心身の関係】
心身ともによいと言われている「マインドフルネス」や「ヨガ」は、ゆっくりと深く呼吸を整えることをメインにしています。
心身の健康には、「呼吸が大切」ということに、改めて気づかされます。
「鬼滅の刃」で呼吸を極めると身体能力が劇的に上がるのも、「酸素を細胞の隅々まで届けて、最大にエネルギーを生産している」と考えると、とても面白いですね。

クエン酸回路

クエン酸回路の仕組み

解糖系で、生成された「ピルビン酸」は、「アセチルCoA」へと変換されて、クエン酸回路(煮込み工程)へ入っていきます。

この変換をするためには、「ビタミンB1」「ビタミンB2」「ナイアシン(ビタミンB3)」「パントテン酸(ビタミンB5)」「α-リポ酸」が必要です。

回路に入った後でも、これらのビタミンB群はタッグを組み、反応を進めていきます。
これらの栄養素に加えて、「鉄」「マグネシウム」も反応を進めるために大きな役割を果たします。

クエン酸回路でも解糖系と同じように、得られるエネルギーは2ATP(相当)とわずかです。
しかし、ここは大量のエネルギーを生み出す「電子伝達系」へとバトンを渡す重要なつなぎの工程です

ここでの主役は、ビタミンB群。
その中でも「ナイアシン(ビタミンB3)」は、登場回数が一番多く、絶やしてはならない栄養素であり、必要量をしっかり摂ることが重要だと感じています。

栄養療法の分野では、「ナイアシン」を積極的に取り入れることが注目されているのですが、その理由がこのクエン酸回路をスムーズに回すためなんです。

✏️クエン酸回路の特徴
  • 水素(エネルギーの素)と2ATP(相当)のエネルギーを生産
  • 必要なビタミン
    • ビタミンB1、ビタミンB2、ナイアシン(ビタミンB3)、パントテン酸(ビタミンB5)、ビオチン(ビタミンB7)
  • 必要なミネラル
    • 鉄、マグネシウム
  • 酸素が必要 
    ※ α-リポ酸は、タンパク質の中のアミノ酸や脂質を原料にして体内でつくる

電子伝達系

電子伝達系の仕組み

電子伝達系(仕上げ)は、解糖系とクエン酸回路で生成された「水素のエネルギー」「酵素」を使って、大量のエネルギー(34ATP)に変換します。

電子伝達系の反応が進むためには、「酵素」「ビタミンB2」「鉄」「銅」「マグネシウム」「硫黄」「リン」「コエンザイムQ10」が必要になります。
酵素は、食べ物を分解したり、筋肉を動かす働きをするのですが、原料は、「タンパク質」です。

また、電子伝達系では、副産物として、多くの活性酸素が発生します。
活性酸素は、適量であれば、よい刺激になるのですが、増えすぎると、私たちの体を傷つけるといわれています。
「セレン」「マンガン」「ビタミンE」などの抗酸化物質も補うことが、日々のコンディションを整えるうえで重要な要素の一つだと感じています。

電子伝達系も、クエン酸回路と同じように、酸素がなければ、反応が進みません。

電子伝達系で大量のエネルギーを作るには、酸素が不可欠ですが、その酸素を細胞まで運ぶ役割をもっている鉄(ヘモグロビンの主成分)が、不足するとせっかくの酸素を活かしきれなくなってしまいます。

「ビタミン」「ミネラル」「酸素」
これらの要素は一つでも不足すると、エネルギー生産の効率が著しく低下してしまいます。

バランスの良い食事で栄養を補い、ときには体を休めて、深く呼吸する。
そうした「当たり前」のような生活の積み重ねが何よりも大切ということですね。

💡電子伝達系の特徴
  • 34ATPのエネルギーを生産
  • 必要なビタミン
    • ビタミンB2
  • 必要なミネラル
    • 鉄、銅、マグネシウム、硫黄、リン
  • ビタミンミネラル以外の必要な栄養素:
    • タンパク質(酵素の原料)
  • 酸素が必要
    ※ コエンザイムQ10は、タンパク質の中のアミノ酸やビタミンミネラルを原料にして体内でつくる

まとめ

今回ご紹介したエネルギー生産のプロセスは、どこか一つでも材料が欠けると停滞してしまいます。
最後に、各工程に必要な「材料」を整理します。

  1. 解糖系(下ごしらえ)
    • ナイアシン(B3)、マグネシウム
  2. クエン酸回路(煮込み)
    • ビタミンB群(B1, B2, B3, B5, B7)、鉄、マグネシウム、α-リポ酸、酸素
  3. 電子伝達系(オーブンで仕上げ)
    • タンパク質(酵素)、ビタミンB2、鉄、銅、マグネシウム、硫黄、リン、CoQ10、酸素

解糖系から電子伝達系までスムーズに進めば、大量のエネルギー(合計38ATP)が得られます。

反対に、このプロセスがどこかで止まってしまうと、十分なエネルギーが作れないだけでなく、解糖系で停滞して「乳酸」が溜まりすぎてしまう可能性があります。

その結果、体本来のバランスが崩れやすくなったり、肝臓への負担が大きくなり、健康に体を維持していくことが、難しくなります。

つまり、健康を保つためには、十分な酸素、タンパク質、ビタミン、ミネラルなどの「材料」を意識的にそろえることが、体の仕組みを整えるうえで大切だと私は感じています

今回お話しした内容は、体の仕組みを根本から理解するための第一歩であり、あらゆる療法の基礎となります。

難しいと感じる方もいるかもしれませんが、自分に合った方法を見つけるために、ぜひ「一生モノの知識」として覚えておいていただきたい内容です。
大切な自分の体のことです。一緒に自分の体のことを学んでいきましょう。

次回は、このエネルギー発電所における重要な要素の1つである栄養素(タンパク質、ビタミン、ミネラルなど)について、深堀りしていきます。
分子栄養学の視点から、最適な栄養状態をつくることで私たちの体本来の力を引き出す「栄養療法」についてご紹介します。

最後までお読みいただきありがとうございました。

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参考文献・引用元(詳しく学びたい方へ)

この記事で解説した内容は、私自身の経験に加え、以下の信頼できる文献をベースにしています。

藤川徳美医師・福田一典医師など参考書籍

一歩踏み込んだ仕組みや、より具体的な実践事例をじっくり確認したいときは、ぜひこれらの本も読んでみてください。

うつ・パニックは「鉄」不足が原因だった [ 藤川徳美 著]
ケトン食が[異常細胞]を消す[ 古川健司 著]
ミトコンドリアを活性化すると[異常細胞]は自滅する [ 福田一典 著]
※ 書籍タイトルはそのまま記載していますが、本記事はこれらの書籍の内容を推奨・効果保証するものではありません

【ご注意】
本記事の内容は、筆者がコロナ後遺症の療養中に学び実践した個人的な記録です。
紹介している情報・療法・栄養素の効果には個人差があり、体質・持病によっては適さない場合もあります。
本記事の情報をもとに行動される場合は、自己判断せず、必ず主治医や専門の医療機関にご相談ください。
本記事はいかなる疾患の予防・治療・改善を目的としたものではありません。

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