米ぬかぼかし肥料の作り方|初心者でも失敗しない納豆発酵レシピ

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自然は神様からの贈り物。
こんにちは、ナチュラルトレードライフです。

前回は、肥料について「完全ガイド」として、肥料の種類や特徴をご紹介しました。
今回は、もう一歩踏み込んで、米ぬかを使ったぼかし肥料の作り方をご紹介します。

ぼかし肥料は、米ぬかなどの有機物を発酵させて作る肥料です。

有機肥料には、土に混ぜ込んでから時間をおいて、種まきや苗を植えるものや、根元から少し距離をとって追肥するものなど、さまざまな使い方があります。

一方、今回ご紹介するぼかし肥料は、あらかじめ発酵させてから使用するため、生の有機物に比べて、土に混ぜ込んだ後、時間を空けずに使いやすいのが特徴です。
また、身近な材料で作ることができるため、家庭菜園でも気軽に続けやすい方法だと感じています。

ぼかし肥料の発酵方法には、ヨーグルトなどを使う方法や、微生物を多く含む土を使う方法など、さまざまな方法があります。
私はその中でも、納豆を使った方法でぼかし肥料を作っています。
納豆は普段から常備している食材で、水分や量の調節もしやすく、これまで作ってきた中でも扱いやすいと感じています。

今回は、私が実際に行っている納豆を使った米ぬかぼかし肥料の作り方を、はじめての方にもわかりやすく解説します。

家庭菜園で肥料を手作りしてみたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
作り方をすぐに知りたい方は、目次の「米ぬかぼかしの作り方|手順」からご覧ください。

※ 本記事は、農文協・日本土壌協会監修・小祝政明の著書を参考文献として作成しています。
内容の監修・推薦を受けたものではありません。

ぼかし肥料を作るメリット

それでは、まずはじめに、ぼかし肥料を作るメリットについて、お話しします。

栄養豊富

米ぬかには、窒素・リン酸・カリウムだけでなく、さまざまな有機物やミネラルが含まれており、植物や土壌微生物にとってうれしい成分も含まれています。

マグネシウム(苦土)が含まれている

光合成を行う「葉緑素」の中心になる重要なミネラルです。
私自身、米ぬかを使った肥料を取り入れると、野菜の葉の色やツヤが良くなるように感じています。

豊富なビタミン・アミノ酸

米の栄養が集中している部分なので、ビタミンB群や良質なアミノ酸、糖分が豊富です。
これが土の中の有用な微生物(乳酸菌や酵母菌など)のエサになり、土をフカフカにしてくれます。

コスパ◎・自然循環

市販の化学肥料に頼らず、自然の循環を利用するため自然に優しい肥料です。
また、主原料の米ぬかはコイン精米機で無料で手に入ることも多く、コストをほとんどかけずに作れます。

使いやすい

ぼかし肥料は、あらかじめ発酵させてから使うため、生の米ぬかに比べて畑に取り入れやすいのが特徴です。

生の米ぬかを土に大量に入れると、微生物が分解する過程で土壌中の窒素が一時的に使われ、植物が窒素を利用しにくくなる「窒素飢餓」が起こることがあります。

さらに、生の米ぬかは土の中で発酵熱を出すため、野菜の根を傷めてしまう心配もあります。

その点、十分に発酵させたぼかし肥料は、生の米ぬかよりも使いやすく、完成したものを適切な量で畑に取り入れることができます。

各肥料の配合比について

米ぬかぼかしは、米ぬかにさまざまな有機肥料を混ぜ合わせて作る場合があります。

私は、有機肥料で三大要素をできるだけバランスよく揃えるにはどうすればいいか試行錯誤した結果、米ぬか5:油かす4:草木灰1という比率でぼかしを作ることが多いです。

この配合比は、各肥料の成分値をもとに私自身が計算して導き出したオリジナルの目安です。

窒素・リン酸・カリウムは、できるだけバランスよく揃えたいところですが、有機肥料の性質上、化成肥料のように等倍にすることは難しいです。

この配合では完全な等倍とはいきませんが、窒素とリン酸を比較的近い値に揃えることができる、家庭菜園で使いやすい配合だと考えています。

▶ 詳しい計算根拠は【肥料完全ガイドの記事へ】

ただし、成分比をしっかり合わせなくてもある程度、野菜は育ちます。
売り物の野菜であれば大きさや収穫量を意識する必要がありますが、家庭で楽しむ程度であれば、米ぬかだけでもおおむねの野菜は作れると感じています。

私自身も米ぬかのみのぼかしを使うことがあります。

ただ、ニンジン・大根・玉ねぎなど、根や地中で実が育つ野菜では、カリウムを補う目的で、草木灰を加えることがあります。

手元に肥料がない方は、コイン精米機で簡単に手に入る米ぬかのみで作るのもおすすめです。
もう少し材料を加えてみたい方は、草木灰や燻炭を取り入れてみるのもよいと思います。

特に燻炭は、多孔質な構造を持っているため、土や堆肥などに加えることで、通気性や水分保持性の改善に役立つ資材です。

米ぬかぼかしの作り方|手順

用意するもの

米ぬか:1kg
納豆:0.5パック
水:適量
段ボールやバケツなどの容器
新聞紙など、酸素が通るような蓋の代わりになるもの
園芸用シートなど、ぼかしを広げて乾燥させるもの

油かす・草木灰を入れる場合

米ぬか:油かす:草木灰= 5:4:1 の重量比で加えるのがおすすめです。

草木灰の代わりに燻炭を使うこともできます。
燻炭は通気性や微生物が活動しやすい環境づくりを助ける補助的な資材として使えますが、草木灰ほどカリウムの補給は期待できません。

カリウムの補給も兼ねたい場合は、草木灰がおすすめです。

補足情報

屋内で作る場合:多少においが気になります。
屋外で作る場合:虫が入らないように、通気性を確保しながら覆うことをおすすめします。

手順|米ぬかのみで7月上旬に作った様子

STEP1:材料を混ぜ合わせる
ぼかし作り(混ぜ合わせる直前)
納豆は水に溶いてから米ぬかに加えると均一に混ざりやすい
ぼかし作り(混ぜ合わせる1)
しっかり、混ぜ合わせる
ぼかし作り(混ぜ合わせる2)
握って形が残り、少し触ると崩れるくらいの固さに調節する
ぼかし作り(新聞紙て覆う)
新聞紙や防虫ネットなどをかぶせて、虫が入らないようにして置いておく

段ボールやバケツなどの容器に米ぬか(油かす・草木灰)・納豆・水を投入し、混ぜ合わせる。
(納豆の粒は指で潰しながら混ぜる)
納豆は水に溶いてから米ぬかに加えると均一に混ざりやすい。

水分量は、握って形が残り、少し触ると崩れるくらいの固さに調節する。
しっかり混ぜ合わせたら、新聞紙や防虫ネットなどをかぶせて、虫が入らないようにして置いておく。
寒い時期は毛布や段ボールで保温すると発酵が進みやすくなります。

※ 発酵に酸素が必要なので、完全に密封しないでください

STEP2:発酵の過程
ぼかし作り(温度)
発酵が進むと温かくなる

1日1回かき混ぜて酸素を送り込む。
(数日に1回でも発酵は進む場合がありますが、私は1日1回を目安に切り返しています。)

容器の角や縁にぬかが固まりやすいので、底からすくうようにして全体をムラなく混ぜてください。
混ぜるたびに「温かさ」や「におい」を確認し、順調に発酵しているかチェックします。
詳しくは、下記の「発酵中に気をつけること」および「発酵成功のサインと失敗のサイン」もあわせてご確認ください。

STEP3:発酵完了の確認

発酵期間は、早ければ2週間程度、通常は3〜4週間程度が目安です。
夏場は短く、冬場は長くなるなど、季節や配合材料、発酵環境によって異なります。

色の変化: 薄茶色から茶色っぽい色へと濃くなる
質感の変化: 粘り気がとれてサラサラになる
香りの変化: 味噌や醤油のような香ばしい香りがする

💡ポイント
適切な水分を保っているにもかかわらず、切り返しても再び温度が上がらなくなり、香りや質感にも変化が出ている場合は、発酵が落ち着いてきたサインと考えられます。

ただし、カラカラに乾燥しているために熱が出ないだけ、という場合もあります。
「水分が適切に保たれているのに、熱が上がらなくなった」ことがポイントです。
まだ甘酸っぱいにおいが残っていたり、熱を持っていたりする場合は発酵途中です。
そのまま続けてください。

STEP4:乾燥させる
ぼかし作り(乾燥)

発酵が完了したら、風通しのよい場所でブルーシートなどに薄く広げ、しっかり乾燥させます。
完全に乾燥させることで微生物の活動が休止し、長期保存しやすくなります。

乾燥後にさらに数週間寝かせて「熟成」させてから使用すると、より安定した状態で使いやすくなります。

⚠️ 発酵中に気をつけること

順調に発酵が進むと、いくつか「あれ?」と思う変化が起きることがあります。
慌てずに対処しましょう。

白っぽい塊ができてきた

表面や内部に白い塊が現れることがあります。
これは産膜酵母や菌の塊であることがほとんどです。
見つけたら潰すようにしてかき混ぜ、全体に均一に混ぜ込んでください。

温度が上がりすぎている(50℃以上)

発酵が活発になると温度が上がりますが、50℃を超えると有用な菌が弱ったり、腐敗の原因になることがあります。
そのままにせず、すぐにかき混ぜて温度を下げてください。
それでも高温が続く場合は、より大きな容器に移し替えて空気に触れる面積を増やすと効果的です。

表面が乾いてきた(特に夏場は注意)

発酵中にぬかの表面が乾燥してきたら、少量の水を加えて、握って形が残り、軽く触れると崩れる適切な水分量に戻してください。
特に夏場は気温が高く乾燥しやすいため、水分チェックが大切です。
乾燥しすぎると微生物の活動が鈍くなり、発酵が止まってしまいます。

もし乾いていると感じたら、霧吹きなどで少しずつ水を足し、「軽く握ってつぶれるくらい」の水分量をキープしてください。

発酵成功のサインと失敗のサイン

仕込んでから1~3日後を目安に、以下を確認してください。

✅ 成功のサイン

  • 仕込み後1〜3日目
    • 触るとほんのり温かくなり、ぬかの甘酸っぱいにおいや、お酒・パンのイーストのようなにおいがしてきます。
  • その後
    • さらに発酵が進むと、味噌やぬか漬けに近いにおいへと変化していきます。
      ツンとする嫌なにおいでなければ順調です。

❌ 失敗のサイン

鼻を突くようなアンモニア臭・腐敗臭がする場合は、発酵が上手く進んでいない失敗のサインです。
原因として、水分が多すぎることや、切り返し不足などが考えられます。

万が一、温度が上がらない時の2大原因と対策

「仕込んでみたけれど、全然温かくならない…」という時は、以下の2つの可能性を疑ってみてください。

① 原因:微生物の活動が弱い & 外気温が低い

特に春先や秋口など、気温が低い時期は微生物の動きが鈍くなります。

【対策】
スタートダッシュを助けるために、少しだけ納豆(菌)を追加して混ぜ直してみてください。
少量の納豆を追加することで、発酵が進みやすくなる場合があります。

② 原因:熱の分散(保温不足) & 水分量のズレ

米ぬかが薄く広がりすぎて熱が逃げているか、水分が多すぎ・少なすぎで微生物が窒息している可能性があります。

【対策】
まずは米ぬかをバケツ等にこんもりと高く盛り、熱が中央にこもるようにします。
その上で、手で握ってホロリと崩れる「理想の水分量」になっているか、今一度確認してみましょう。

納豆の量に「これが正解」という答えはない

ぼかし肥料の作り方はさまざまで、材料や配合もさまざまです。
「これが正解」という答えはありません。

専門書やネットでも「納豆ぼかし肥料」の作り方は数多く紹介されていますが、配合量はサイトや動画によってさまざまです。
たとえば農園サイトでは米ぬか15kgに納豆1パック(1kgに換算すると約1/15パック)、園芸メディアでは米ぬか1kgに納豆1/4〜1パックと、同じ「納豆ぼかし」でも大きな差があります。

つまり、納豆の量に「これが正解」という絶対的な答えはありません。
そんな中で私が1kgに0.5パックをおすすめする理由は、ただひとつ。
「初心者が最初の発熱を成功させやすくするため」です。

実際に私も、少ない量で仕込んだ際、半日経っても1日経っても全く温まらなかったという苦い失敗を経験しています。

納豆菌は多めに入れても、肥料の質が大きく落ちると感じたことはありません。
極端に入れすぎなければ、問題はないと思っています。

実際は、もっと少ない量でも発酵が始まる可能性はありますし、慣れてきたら量を減らして試してみるのも面白いと思います。
季節や環境によって自分なりの適量を見つけていくのも、楽しいかもしれませんね。

ただ最初のうちは、多めに入れてできるだけ失敗しにくい方法で始めてもらいたいと思っています。

📝私の実験データ

私自身の経験では、まだ冬の時期には試していませんが、春〜秋の時期(屋内)において、1kgの米ぬかに対して納豆1/4パックの量でも問題なく発酵が進みました。

慣れてきたら、ぜひご自身の環境に合わせて量を調整してみてください。

私の土づくりと肥料の使い方

私自身の菜園では、基本の土作りとして、
もみ殻(土の通気性や物理性の改善を目的)・牡蠣がら有機石灰(酸性土壌を中和する・カルシウムやマグネシウムの補給)で土壌改良を行い、米ぬか・牛糞堆肥を元肥として使っています。

生の米ぬかは元肥として使う場合、投入後しばらく置いてから種まきや苗植えをするようにしています。
目安は夏場2週間・冬場1ヶ月程度です。
(発酵済みのぼかしを元肥に使う場合は、発酵熱の心配がないため、すぐに使えます)

追肥にはぼかし肥料を使っています。
ぼかしは発酵済みのため発酵熱の心配がなく、成長中の野菜に安心して使えるためです。

ぼかし単体ですべてをまかなうというより、米ぬかや牛糞で土台となる土を作り、ぼかしで栄養を補うというイメージです。

家庭菜園では「これだけが正解」という肥料の使い方はありません。
手元にある肥料を上手に組み合わせながら、自分なりのやり方を見つけていくのも楽しみのひとつだと感じています。

【補足】
有機石灰:多くの野菜は弱酸性〜中性の土を好みます。日本の土壌は酸性になりやすいため、石灰でpHを調整することで野菜が育ちやすくなります。
元肥:種まきや苗植えの前の土づくりの段階で加える肥料
追肥:野菜が成長している段階で追加する肥料(2週間に1度くらいが目安)

まとめ

ぼかし肥料について整理しておきます。

  • ぼかし肥料は、発酵・熟成させてから使うことで、生の有機物より扱いやすくなる
  • 元肥・追肥のどちらにも利用できる
  • ぼかしづくりでは、特に「適切な水分管理」と「定期的な切り返し」を意識することがポイント

💡 追肥するときのポイント
ぼかし肥は、株元から少し離れた場所に穴を掘って入れ、においや虫を防ぐため、施用後は土をかぶせます。

✅ 熟成させてから使いましょう
発酵中のぼかしは体温を超えるほどの高温になることがあります。
未熟なままだと根を傷める原因になります。
しっかり発酵・熟成サインを確認してから使うことをおすすめします。

ぼかし肥料は市販もされています。
「まずは手軽に試してみたい」「作る時間がない」という方は、こうした市販品から始めてみるのも一つの手です。
▶ 市販ぼかし肥料はこちら

最初は、難しく考えなくて大丈夫です。
まずは米ぬかと納豆だけで、気軽に作ってみてください。
うまくいったら次のステップ、うまくいかなくても「そういうものか」と笑って次に生かす。
それが、家庭菜園の楽しみ方ではないでしょうか。

あとがき:私の経験

実は、私が菜園をはじめた最初の3年間は、専門書を読み込んで「無肥料・不耕起」の自然農法にチャレンジしていました。
ですが、本通りにやっているつもりでも、どうしても野菜が大きく育たなかった苦い経験があります。

プランターやレイズドベッドでは、以前から有機肥料(ぼかし肥)を使った栽培も行っていましたが、畑で本格的に有機栽培に取り組みはじめたのは2年前です。
菜園歴としては4年目になりますが、まだまだ分からないことだらけです。

みなさんと一緒に試行錯誤しながら、美味しい野菜を育てる喜びを分かち合えたら嬉しいです。
「ぼかし作りに挑戦してみた」「こんな風に野菜が育った」など、みなさんの試行錯誤をぜひ教えてください!
そうしたお話が、私の励みになります。

野菜にはそれぞれ個性があります。
必要な肥料も、好む環境も、育ち方もみんな違います。
人と接するのと同じように、その個性を少しずつ知っていって、野菜と仲良くしていく。
そんな気持ちで育てていると、野菜も応えて大きく育ってくれるかもしれませんね。

お読みいただきありがとうございました。

参考文献・引用元(詳しく学びたい方へ)

この記事で解説した内容は、以下の信頼できる文献をベースにしています。

農文協・日本土壌協会監修の著書など参考書籍

より詳しい内容や、それぞれの著者の考え方について知りたい方は、ぜひ参考にしてみてください。

今さら聞けない 有機肥料の話 きほんのき[農文協]:米ぬか15kg・納豆1パック
図解でよくわかる土・肥料のきほん [日本土壌協会監修]
有機栽培の肥料と堆肥 つくり方・使い方[小祝政明 著]

データ引用・参照元

記事内の客観的な事実や統計については、以下の公的機関および専門データを参照しています。

納豆で作る米ぬかぼかし肥料の作り方|LOVEGREEN 米ぬか1kg・納豆1/4〜1パック 

https://lovegreen.net/plantcare/p77171/

くん炭農業用資材ページ|池澤化工株式会社 

https://www.ikezawa-kako.jp

【ご注意】
この記事は、参考文献や公的資料などをもとに、私自身が学び、考えた内容をまとめたものです。
さまざまな見解がありますので、一つの考え方・視点として読んでいただければ幸いです。

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