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自然は神様からの贈り物。
こんにちは、ナチュラルトレードライフです。
家庭菜園をはじめたいと思ったものの、肥料の種類が多すぎてどれを選んだらいいかわからない…
そんな経験はありませんか?
野菜作りをはじめようと思ったとき、私が最初に調べたのも、この「肥料」についてでした。
100円均一やホームセンターに行けば「これだけ与えればいい」という便利な化学肥料が並んでいます。
しかし、そこに記されていた「窒素・リン酸・カリ」が何なのか、何がどう作用しているのかを知っておいた方が、野菜を本当に元気に育てられると思ったからです。
今回は、菜園初心者の基礎知識として、肥料の基本から有機肥料・化学肥料の違い、そして土を豊かにする主要資材(米ぬかや燻炭など)の活用法まで完全ガイドでお届けします。
一緒に肥料と土づくりの知識を深めていきましょう。
※ 本記事は、日本土壌協会監修・農文協・小祝政明の著書を参考文献として作成しています。
内容の監修・推薦を受けたものではありません。
肥料の三大要素「窒素・リン酸・カリ」
肥料には数多くの成分が含まれますが、植物が特に大量に必要とする成分が3つあります。
これを「肥料の三大要素」と呼びます。
市販の肥料の袋に「N-P-K」や「8-8-8」などの数字が書いてあるのを見たことがあるかもしれません。
これが、三大要素の含有量を表しています。
では、まず、それぞれの成分の役割を見ていきましょう。
窒素(N)=葉と茎を育てる
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植物の「葉・茎・枝」を大きく育てる成分です。
たんぱく質や葉緑素の材料になるため、不足すると葉が黄色くなり、生育が止まります。
ただし入れすぎると茎や葉ばかりが育って実がつきにくくなる「ツルボケ」になるので注意が必要です。
葉物野菜(ほうれん草・レタス・小松菜)やトマトの初期生育
リン酸(P)=花と実を育てる
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花を咲かせ、実をつけ、種を作るための成分です。
根の発育にも関わります。
不足すると花が咲かない、実が少ない、甘みが出ないといった症状が出ます。
実物野菜全般(トマト・ナス・きゅうりなど)
カリウム(K)=根と体を強くする
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根っこを発達させ、植物全体を丈夫にする成分です。
病気への抵抗力を高め、実の品質や糖度を上げる効果もあります。
不足すると葉の縁が枯れたり根が弱くなります。
根菜類(大根・ニンジン)
芋類(じゃがいも・さつまいも)
窒素・リン酸・カリのまとめ
三大要素を覚える簡単な語呂合わせ
「葉・実・根(は・み・ね)」=「窒素・リン酸・カリ」
- 葉→窒素
- 実(花)→リン酸
- 根→カリ
と理解しておくと、覚えやすいと思います。
| 成分 | 不足すると | 過剰だと | 特に必要な野菜 |
|---|---|---|---|
| 窒素(N) | 葉が黄色くなる 生育が止まる | 葉や茎が茂りすぎて 実がつきにくくなる(ツルボケ) | 葉物野菜 (ほうれん草・レタス・ 小松菜など) |
| リン酸(P) | 花が咲かない 実が少ない 甘みが出ない | リン酸が微量元素の吸収を阻害して 葉が黄色くなる | 実物野菜全般 (トマト・ナス・きゅうりなど) |
| カリウム(K) | 葉の緑が枯れる 根が弱くなる | カルシウム欠乏(トマトの尻腐れ病) マグネシウム欠乏(葉が黄色くなる) | 根菜類(大根・ニンジン) 芋類(じゃがいも・さつまいも) |
化学肥料と有機肥料の違い
肥料には大きく分けて「化学肥料」と「有機肥料」の2種類があります。
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化学肥料
化学肥料とは 工場で化学的に製造された肥料です。
成分量が正確で即効性が高く、使いやすいのが特徴です。
小祝政明氏の有機栽培の考え方では、化学肥料を使い続けると、土壌中で活動できる微生物が限られ、物理性や生物性の改善につながりにくいため、土がだんだん固く痩せていくというデメリットが述べられています。
また、活動する微生物が限られることで自然の物質循環がうまく機能しにくくなり、植物が土から利用できる養分の種類や量も少なくなっていくと考えられています。
その結果、野菜そのものに含まれる栄養素にも影響するとされています。
有機肥料
有機肥料とは 動物や植物などの自然由来の材料からできた肥料です。
土の中のさまざまな微生物がこれを分解しながら植物に栄養を届けるため、効果がゆっくりと長く続きます。
微生物は団粒構造※1を作って土壌の物理性を改善するため、使い続けると土がフカフカになっていきます。
即効性は低いですが、土そのものを育てるという点で家庭菜園や有機農業に向いています。
※1 団粒構造とは、土の粒子が小さな塊になった状態のことです。水はけと保水性を同時に高める、土にとって理想的な構造です。
| 化学肥料 | 有機肥料 | |
|---|---|---|
| 効き目 | 早い(即効性) | ゆっくり(緩効性) |
| 成分 | 正確 | バラツキあり |
| 土への影響 | 長期使用で土が痩せる | 土をフカフカに育てる |
| コスト | 安い | 素材によっては安い |
| 手間 | 簡単 | やや手間がかかる |
「資材」とは?
本記事では、肥料・土壌改良材などをまとめて「資材」と呼びます。
厳密には肥料と土壌改良材は異なりますが、家庭菜園では組み合わせて使うことが多いため、まとめて資材として紹介しています。
有機資材の組み合わせ方|三大要素をバランスよく揃えるには
どんな野菜にも合う肥料は窒素・リン酸・カリウムが等倍なものがベストですが、有機肥料の性質上、1種類だけでは三大要素をバランスよく揃えることが難しいです。
そこで複数の資材を組み合わせることで、不足する成分を補い合います。
化成肥料のように成分をぴったり揃えることは難しいですが、以下の配合比を目安にすると、窒素とリン酸がほぼ近い値になり、カリもある程度補えます。
家庭菜園で使う有機肥料としては十分バランスの取れた配合です。
| 資材 | 配合比(重量比) | 主な成分 | どんな野菜向けに増やすか |
|---|---|---|---|
| 油かす | 5 | 窒素(N ) | 葉っぱを大きくしたい時(葉物野菜、トマトの初期など) |
| 米ぬか | 4 | リン酸(P) | 花を咲かせたい、実を甘く・多くしたい時(実物野菜全般) |
| 草木灰 | 1 | カリ(K) | 根っこを太らせたい、病気に強くしたい時(根菜、芋類) |
この配合比は、各資材の成分値をもとに私自身が計算して導き出したオリジナルの目安です。
有機肥料で三大要素をできるだけバランスよく揃えるにはどうすればいいか、試行錯誤した結果がこの5:4:1という数字です。
実際に成分値で計算すると、窒素約4%・リン酸約5%・カリ約2%程度になります。
草木灰はアルカリ性が強いため各成分を等倍にするのが難しく、試行錯誤の結果、窒素とリン酸がほぼ近い値に収まるこの5:4:1が現実的な落としどころでした。
市販の野菜専用肥料も、基本的にはこのように各資材の配合比を調整するという考え方で作られています。
【補足:もっと知りたい方へ】
肥料にはC/N値という考え方があります。
これは微生物にとっての「エネルギー源(炭素)」と「体をつくる栄養(窒素)」のバランスを示すものです。
一般的な堆肥は20前後が目安とされますが、自作の肥料(ぼかし等)を素早く安全に効かせるためには、書籍「有機栽培の肥料と堆肥」等でも紹介されている6〜12の範囲に近づけるのが理想とされています。
今回紹介した5:4:1の配合比を、使用する資材の成分値から計算すると、C/N比は約12〜13となります。
このため、今回の配合は、肥料成分だけでなくC/N比という点から見ても、発酵させる材料として比較的バランスの取れた配合の一つと考えています。
主要な有機資材の種類と特徴
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牛糞
牛のフンを発酵・堆肥化したものです。
三大要素の含有量は少なめですが、有機物が豊富で土をフカフカにする「土壌改良」の効果が非常に高いのが特徴です。
肥料効果は比較的穏やかで、土づくりを目的として使われることが多く、家庭菜園では畑づくりに大量に混ぜ込むのが定番です。
臭いが少なく扱いやすいのも人気の理由です。
鶏糞
鶏のフンを乾燥・発酵させたものです。
有機肥料の中では窒素・リン酸・カリのバランスが良く、カルシウムも含まれているため、トマトの尻腐れ病予防にも役立ちます。
即効性も比較的高いのが特徴です。
安価で手に入りやすく、家庭菜園でもよく使われます。
ただし、臭いが強く、生の鶏糞を大量に使うと肥料焼けを起こすことがあるため、完熟したものを適量使うのがポイントです。
油かす
大豆・菜種・綿実などの種子から油を絞った後のカスです。
窒素分が豊富で、葉物野菜やトマトの初期生育に効果的です。
発酵が進むと独特の甘酸っぱい香りがします。
ぼかし肥料※2の材料としても定番で、米ぬかと組み合わせることで窒素とリン酸のバランスが整います。
※ ぼかし肥料:米ぬかや油かすなどの有機物を発酵させて作る肥料です。
発酵によって有機物が分解され、植物が利用しやすい状態になるため、元肥や追肥として使われます。
骨粉
牛や豚などの動物の骨を蒸製・乾燥させた粉末です。
リン酸とカルシウムが豊富で、花や実をつけたい時に向いています。
効き目はゆっくりですが持続性が高いのが特徴です。
油かすと組み合わせた「骨粉入り油かす」は家庭菜園の定番資材です。
草木灰
稲わらや木材などを燃やした灰です。カリウム(4〜9%)とカルシウム(約2%)、リン酸(3〜4%)が含まれており、根を強くしたい時や土壌の酸性を和らげたい時に使います。
アルカリ性が非常に強いため、入れすぎると土が強アルカリになり逆効果になることがあります。
少量をうまく使うのがコツです。
※ 多くの野菜は弱酸性〜中性の土を好みます。日本の土壌は酸性になりやすいため、草木灰でpHを調整することで野菜が育ちやすくなります。
米ぬか
玄米を精米する際に出る外皮・胚芽の部分です。
リン酸(約6.7%)・マグネシウム・ビタミン・アミノ酸が豊富で、土の微生物のエサとして非常に優秀です。
コイン精米機で無料で手に入ることが多く、家庭菜園では最もコスパの高い有機肥料のひとつです。
そのまま土に混ぜることもできますが、発酵させて「ぼかし肥料」にすることでさらに使いやすくなります。
くん炭
もみ殻をいぶして炭化させたもので、肥料というよりも土壌改良材になります。
多孔質構造のため土の中の微生物の住処になり、余分な水分を吸収しながら通気性も保つため、微生物が好む環境を自然に維持してくれます。
アルカリ性の性質があるため、酸性に傾いた土壌のpH調整にも役立ちます。
ぼかし肥料に混ぜると発酵が安定しやすくなるため、初心者にも特におすすめの土壌改良材です。
魚粉
魚を乾燥・粉砕した肥料です。窒素とリン酸が豊富で速効性があります。
アミノ酸も豊富なため土の微生物を活性化させる効果もあります。
臭いが強いのが難点ですが、野菜の甘みや旨みが増すと言われており、有機農家からも人気の高い肥料です。
有機資材の三大要素 早見表
| 資材 | 窒素(N) | リン酸(P) | カリ(K) | 主な用途 |
|---|---|---|---|---|
| 油かす | ◎ | △ | △ | 葉物・生育初期 |
| 鶏糞 | 〇 | 〇 | 〇 | 元肥・追肥(速効性) |
| 牛糞 | △ | △ | △ | 土壌改良材(有機物補給) |
| 骨粉 | △ | ◎ | △ | 花・実・根 |
| 米ぬか | △ | 〇 | △ | 微生物活性・土作り |
| 草木灰 | × | △ | ◎ | 根・pH調整 |
| 魚粉 | ◎ | 〇 | △ | 葉・旨み向上 |
| くん炭 | × | × | △ | 土壌改良 微生物住処・pH調整 |
※ 配合比は製品や原料により異なります。必ずパッケージの成分表示を確認してください。
肥料選びに迷われる方へ
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さまざまな肥料をご紹介しましたが、「結局どれから始めればいいの?」と迷われる方もいらっしゃるかもしれません。
そこで、実際に私が普段の土づくりで使用している肥料と、その使い分けをご紹介します。
- 有機肥料の中では比較的早く効かせたいとき:鶏糞
- 肥料の効果は少ないけれど、土づくりも兼ねたいとき:牛糞
私は、この2つを基本にしています。
そのうえで、その他の肥料や資材は、育てる野菜や土の状態に合わせて、必要な成分を補うために使い分けています。
使い方
有機肥料には主に2種類の使い方があります。
- 元肥:種まきや苗植えの前の土づくりの段階で加える
- 追肥:野菜が成長している段階で追加する(2週間に1度くらいが目安)
使用するうえで気をつけたいことも押さえておきましょう。
投入後すぐの種まき・苗植えはNG
油かす・米ぬか・魚粉・鶏糞などの有機肥料は土の中に入れると発酵熱が出るため、根を傷める可能性があります。
「完熟発酵」と記載があるものでも、製品によって状態が異なるため、元肥として使う場合は、必要に応じて投入後2週間〜1ヶ月(夏場2週間・冬場1ヶ月が目安)経ってから種まきや苗植えを始めてください。
追肥の場合は、根から20〜30cm程度離した場所の軽く一握りの肥料を土の中に投入してください。
根に直接触れるのを避け、発酵熱による根への負担を減らすためです。
草木灰・くん炭・骨粉は発酵熱が出にくいため、比較的すぐに使えます。
※プランター栽培で市販の培養土を使う場合は、元肥が入っていることが多いため、追肥のみで大丈夫です。
まとめ
有機肥料の種類は多くて迷いますが、選び方のポイントを整理しておきます。
- 化学肥料:手軽に使えてすぐに効果が出るため、植物の元気がない時の応急措置に効果的
- 有機肥料:微生物を育てながら、土も育てることができるため、
- 鶏糞:肥料を早く効かせたい
- 牛糞:肥料効果とともに土壌改良をしたい
- その他の資材:育てる野菜にあった成分を補う
化学肥料は扱いやすいですが、有機肥料は、収穫される野菜の栄養面、土の改良など、長期的な目線で見るとおすすめです。
まずは気軽に有機肥料を使って育ててみたいという方は、有機資材があらかじめバランス良く配合されている市販の「有機100%肥料」から始めてみるのもひとつの手です。
私自身は複数の有機資材を組み合わせて使っていますが、最初から同じように何種類も揃える必要はないと思っています。
何種類もの資材を揃える手間なく始められるので、まずは手軽に有機肥料を使ってみたい方は、市販の有機100%肥料を活用するのも選択肢のひとつです。
▶【参考】初心者向けの定番有機100%肥料はこちら
一方、これらの有機資材を組み合わせることで、家庭菜園で使いやすい肥料を自作することもできます。
特におすすめなのが、米ぬかを基本材料にした「ぼかし肥料」です。
元肥・追肥ともに使うことができて、野菜への負担が少ない肥料です。
以下の3つを揃えれば、バランスの良い手作り肥料を作ることができます。
① 米ぬか → コスパ最強・コイン精米機で無料入手可能
② 油かす → 窒素補給・ホームセンターで安価に入手可能
③ 草木灰 → カリ補給+pH調整
(※ 草木灰が手に入らない場合はくん炭(微生物住処・pH調整)で代用できます。)
次回は、この3つを組み合わせて発酵させた「ぼかし肥料」の作り方を詳しく解説します。
有機肥料は、使い方さえ正しければ化学肥料に頼らなくても十分においしい野菜を育てることができます。
土と野菜の声に耳を傾けながら、今回覚えた肥料の知識を活かして、自分オリジナルの肥料を作っていきましょう。
お読みいただきありがとうございました。
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参考文献・引用元(詳しく学びたい方へ)
この記事で解説した内容は、以下の信頼できる文献をベースにしています。
農文協・小祝政明氏の著書など参考書籍
より詳しい内容や、それぞれの著者の考え方について知りたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
図解でよくわかる土・肥料のきほん [日本土壌協会監修]
今さら聞けない 有機肥料の話 きほんのき[農文協]
有機栽培の肥料と堆肥 つくり方・使い方[小祝政明 著]
データ引用・参照元
記事内の客観的な事実や統計については、以下の公的機関および専門データを参照しています。
| 材料 | 窒素(N) | リン(P) | カリ(K) |
|---|---|---|---|
| 米ぬか | 3.2 | 6.7 | 1.5 |
| 菜種油かす | 6.2 | 2.8 | 1.4 |
草木灰:一般的には枯草、落葉、藁を燃焼した灰でカルシウム2%、リン酸3~4%、カリウム4~9%
カリの成分|AGRI PICK
https://agripick.com/2057
米ぬか 菜種油かすの成分|イノチオアグリ
https://inochio.co.jp/column/147/
【ご注意】
この記事は、参考文献や公的資料などをもとに、私自身が学び、考えた内容をまとめたものです。
さまざまな見解がありますので、一つの考え方・視点として読んでいただければ幸いです。

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